数字に裏付けされた「制震テープ」

高層ビルの制震装置を木造住宅へ

制震テープは、高層ビルの制震装置に用いられる粘弾性体を、木造住宅用として両面テープ状に加工したものです。
右上イラストのように、大地震時に柱・梁は平行四辺形に変形しますが、面材は長方形のまま抵抗するので、これらの間にズレが生じ、柱・梁と面材を固定している釘が曲がったり、折れたりします。このため住宅全体が緩み、地震の度に変位が大きくなっていきます。
厚さ1mmの制震テープをこのズレる部位に挟むことによって粘弾性体がグニュグニュ揉まれることで震動エネルギーを熱エネルギーに変換し、住宅の揺れを低減させます。

制震テープの仕組み図解
実物大実験のデータ解説(防災科学技術研究所での実物大振動実験結果より)

大地震時、最大80%揺れを低減します。

兵庫県南部地震を何度も与えた実物大振動実験において、制震テープを使用すれば、住宅の揺れ(層間変位)を最大80%低減できることを確認しています。
これは、制震テープを全体にバランスよく配置し、住宅まるごとダンパーにしているからです。

制震テープによる層間変異の低減図

防災科学技術研究所・東京大学・清水建設の3者で共同開発

高層ビル向けに開発された粘弾性体ですが、そのままでは強すぎて住宅用には不向きでした。
この材料に注目した3者が粘弾性体を両面テープ状に加工し、柱・梁と面材の間に挟み込むことで、大地震時の損傷を極限まで抑えられる住宅用制震システムを開発しました。

粘弾性体イメージ

110年後も十分な制震性能を維持します。

直射日光や人気にさらされない制震テープにとって、劣化の三要素のうち問題となるのは、熱劣化のみ。
それでも、アレニウス法にもとずいた促進実験により、110年以上の間、粘着強度の変化率は0~10%間を安定推移することが確認されています。

20度換算値による推定値(アレニウス法による)図

「住宅まるごとダンパー」伝達材は不要、
吸収材だけなので、合理的です。

一般的な制震装置は、揺れを熱エネルギーとして吸収する素材(吸収材)と、そこへ揺れを集める仕組み(伝達材)の2つで成り立っています。
「制震テープ」は約1000mの吸収材を住宅全体に分散配置します。
そのため、伝達材は不要になり、振動吸収のバランスもよくなります。

制震テープ使用構造体イメージ

G lifeの施工事例安心・安全をモットーに、お客様にご満足いただける仕事を心がけております。

施工事例イメージ

アイディールブレーン社の制震テープと、リクシル社のスーパーストロング構造体で、
耐震等級3+制震工法の構造躯体で施工を行います。
実際の現場写真を交えてご覧ください。
A様邸の例

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